そばにいたい!〜二重人格王子とラブ同居⁉︎〜
「お、覚えてない…」
そんなこと、
すっかり記憶になんかなかった。
でも…、
今思い出してみると…。
「そうなの?前はあんなに仲良くてね〜…。凛くんがお兄ちゃんみたいにしっかりしてて。のあはいっつも後ろに隠れて…。」
ドクン、
ドクン、
と心臓がうるさい。
そうだ。
『凛!』
そうだ。
『のあ!』
まだ、結城くんの声は高かった。
私より身長は高くて、いつも頭を撫でてくれていた。
そうだーー……。
『凛、って呼べよ…』
あの時、
切なそうな声をしてそういった結城くんの心の中は…。