そばにいたい!〜二重人格王子とラブ同居⁉︎〜
「あっ!ちょ、ちょっと待って!」
少し小走りをして、結城くんに追いついた。
「ん、行くぞ。」
歩き出した結城くんの足は明らかにゆっくりで。
私に合わせてくれてる、ってことくらい分かる。
うん…。
やっぱり、結城くんは優しい人なんだね。
優しくて、いつもニコニコしてる学園の王子様。
…みんなが知ってる表の顔。
口は乱暴だけど、ほんとはやさしい。
それは、私だけが知ってるーーー…。
そんなことが嬉しいなんて、恥ずかしくて言えないけど。
「…じゃ、手。」