そばにいたい!〜二重人格王子とラブ同居⁉︎〜
きづいたよ
「よし。いいだろう。もう遅刻はするなよー。」
「はい」
「じゃあ早く帰れ。」
先生のしっしっという手振りで、教員室から追い出される。
…ちぇっ
頑張って書いたのにさー。
結城くん、先帰ったかな…。
日誌を出すのはさすがに私一人でやった。結城くんはなぜか少し不満そうだったけれど、そうしなくちゃ私の気がすまない。
でも、優しい結城くんのことだから教室で私のこと、待っててくれたりするのかな?
…とか期待してみちゃったり。
ーーーガラッ、
「おせーよ。早く帰るぞ。」
あ、やっぱり待っててくれてた…!
「ごっ、ごめん…!急ぐね!」
机に寄りかかる結城くんを窓から射し込む夕日の淡いオレンジの光が照らしていて、格好良さが倍増してみえる。
「おまたせっ‼︎」
「…ん」
誰もいない廊下を、肩を並べて歩く。