そばにいたい!〜二重人格王子とラブ同居⁉︎〜
いつもの凛とした京ちゃんの声にまた涙が溢れそうになる。
「…っ、どうしたの?」
「なんで今日、結城と仲良く遅刻してきたのよ〜?のあ達、そういう関係?」
「!」
言葉が詰まった。
"結城"
…その名前に体が反応する。
「今日言おうと思ったのにさー。のあ、日直が忙しそうで話せなかったんだもーん。それも結城とやってたし…やっぱり…」
受話器から聞こえる少しからかい気味に話す京ちゃんの声が遠ざかっていく。
やばい、これはマズイ。
なんとか止めていた涙がとうとうこぼれ落ちた。
「…っう…ぅ……」
せき止めていたものが一気に崩れた。
「の、のあ!?」
京ちゃんの戸惑った声がする。
心配かけちゃいけないのに、止められない。