擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
「ああいうの、あしらえないなら着る服も選んだら?」
「確かにね・・・」
自信作のフリルスカートも今となっては何だか滑稽に思えてしまう。
「着替えて来てくれない?」
「え?」
「代わりにあしらうの面倒だから」
「もう、大丈夫だよ。普通はルールを守れる参加者が大半だし」
結城君は眉根を寄せて不機嫌な表情で私を見下ろす。
「じゃあ、俺が気が気がじゃないって言ったら着替えて来てくれる?」
「何で結城君が・・・。また、からかってるんでしょ」
「どうなのかな。でも、本気で嫌。ここにいる男全員信じられないから着替えて来て」
結城君の目にからかうような、嫌味があるような様子が全く見られなくて、逆に戸惑う。
「わかったよ」
自分でルール違反者をあしらえず、結城君に助けられた後ろめたさもあって、私が頷くと結城君は少し表情を和らげた。