擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~


「ああいうの、あしらえないなら着る服も選んだら?」

「確かにね・・・」

自信作のフリルスカートも今となっては何だか滑稽に思えてしまう。

「着替えて来てくれない?」

「え?」

「代わりにあしらうの面倒だから」

「もう、大丈夫だよ。普通はルールを守れる参加者が大半だし」

結城君は眉根を寄せて不機嫌な表情で私を見下ろす。

「じゃあ、俺が気が気がじゃないって言ったら着替えて来てくれる?」

「何で結城君が・・・。また、からかってるんでしょ」

「どうなのかな。でも、本気で嫌。ここにいる男全員信じられないから着替えて来て」

結城君の目にからかうような、嫌味があるような様子が全く見られなくて、逆に戸惑う。

「わかったよ」

自分でルール違反者をあしらえず、結城君に助けられた後ろめたさもあって、私が頷くと結城君は少し表情を和らげた。


< 119 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop