擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
教師と生徒の予感


結城君に抱き寄せられた事は忘れようにもそう簡単にはいかなかった。

唯一の救いは夏休み中に1度も結城君に会うことが無かったことだ。


たまに窓に小石が当たる音がしたけど、電気を消して居留守を使った。

隣で鍵の音がしたかと思うと、出るタイミングをわざとずらしたりして、私なりに合わないようにも心掛けた結果だ。

そうやって避けている時点で何らかの意識をしていることは明白なのに、それを受け入れたくない。

だって、そんなの、まるで私が結城君のことが気になってしょうがないみたいだ。

あんなことされたら、私じゃなくても、きっと誰だって平常心でいられないと思う。


女慣れしてるようだから、距離の取り方とかわからなくなっているのかもしれない。

ああ、そうだ。外国人が挨拶代わりにハグするのと同じ感覚だ。うん、絶対そう。


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