擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~


そんなことを考えていると、手元の携帯がバイブ音でメッセージが届いたことを知らせる。

次は、お酒の美味しい店、探しとくから。

次・・・。

パスタ屋で佐久間さんが言った言葉は冗談でも、社交辞令でも、聞き間違いでもなかったらしい。

「あ、この前の携帯番号の彼からですか?」

すかさず、美原先生が指摘してきたので、画面でも見られたんじゃないかと思って慌てて画面を消した。

「人のメール見る程、悪趣味じゃないですよ?私」

「じゃ、じゃあ、どうして・・・」

「だって、にやけてましたよ?芹沢先生。それに、認めましたね?」

「っ・・・!!」

「気になる彼からのメールで一喜一憂しちゃうんですよねー。私もそんな頃あったなー」


この人、ほんと何者!?

懐かしむように、うっとりとどこかを見ている美原先生の横顔を凝視していると、勝手に身震いがしてきた。


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