擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
文化祭当日の出し物は決まったとして、他には前夜祭で街を歩く時に担ぐ巨大なお神輿についても決めておかなくてはならないことがある。
どんなお神輿にするか?デザインするのは誰か?材料は何か?着る服は?
決めることは盛り沢山だし、これからは文化祭の準備に大忙しになることだろう。
「ねぇ、雅ちゃん!また、衣装作り手伝ってくれない?」
柏木さんがそんなことを大声で提案するので、知らなかった生徒達が少しざわめいた。
それに気づいて、柏木さんが演劇部で私が衣装の半分を担当していたことを説明する。
「雅ちゃんの衣装、普通に売り物みたいで凄かったし、お神輿も頑張れば絶対優勝狙えると思うんだよね!」
作った行燈と、生徒達の衣装など全般的な採点を以って、毎年文化祭の最後に発表されるクラスごとの順位。
景品も用意されていて、この前夜祭にかけるクラスの想いは強い。
「去年、私のクラスは準優勝だったから今年はこのクラスでその無念を晴らしたいんだよねっ!だから、協力してー!」
ああ、もう。
生徒にそんな拝まれたら断れるはずがないじゃない。
「よしっ。今年はこのクラスで優勝目指すよー!」
「おーっ!」
私の掛け声にクラスメイトが一致団結した。