擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
話が途切れたので、ふと、佐久間さんに視線を向けると、佐久間さんもまた、私を見つめていた。
目を細め、柔らかく微笑んでいる佐久間さんをじっと見ていられなくて、タイミング良く運ばれて来たソルティードックに慌てて目を移した。
「な、何か、私変なこと言いました?」
「ううん。何にも」
じゃあ、どうしてそんなにじっとこっちを見てるんですか!
視線を受けている方頬から熱を帯びていく。
「芹沢と同じ高校行ってたら、楽しそうだなって思っただけ」
「え、な、どうして・・・」
「んー?芹沢が楽しそうに話すから。あ、でも、学年違うから一緒には作業出来ないか」
ケラケラと笑いながら、やっと佐久間さんからの視線が外れ、密かにホッと息を吐いた。
「まだ、時間ある?」
「あ、はい」
「じゃ、それ飲んだら出よう」
佐久間さんからの視線に緊張し、既に半分になっているソルティードックを指差して、佐久間さんは微笑んだ。