擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~


「こういうのは、もう、やめて・・・」

結城君が気になるとか、好きなんじゃないかとか、悩むことなんて一つも無い。

「すごい、迷惑・・・」

答えなんて、わかりきっている。

私が出す答えは、数学の問題よりも簡単だ。

「簡単には引き下がらないって言ったよね」

酷いこと、言ったのに何でめげないの?

「何で・・・、何で私なの?」

「知りたい?」

「だって、おかしいじゃない。こんなダサい女に・・・」

結城君はモテるだろうし、同年代で付き合ったりもできるし、年上が好きならもっと綺麗な人を彼女にしたりも簡単なはずだ。

学校では無難で地味な格好をし、家でのダサい格好を知ってるくせに、コスプレ趣味も知ってるくせに。

「一生懸命、もがいてる姿が俺と似てるって思ったんだよ」

「どこが・・・?結城君がもがいてるようには見えないけど」

いつも、冷静に高く上の方から見下ろして全て分かったようにしている結城君が私と同じなわけがない。


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