擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
結城君は私の腕を取ると、ベットに引きずり込み、結城君が軽やかに体を反転させたかと思うと、私はベットを背に結城君を見上げる形になっていた。
「悪いけど、諦めた事なんて一度も無いから」
朝日に照らされた結城君の色素の薄い髪が金髪のように輝いていて眩しく感じた。
「せっかく先生の思惑に乗ってあげたのに、先生の方から近付いてくるなら、もう手加減しない」
「近付く、って、これは不可抗力でしょう。見て見ぬ振りしろって方が無理よ」
「だから、甘いんだってば。先生の性格上、絶対に生徒は見捨てられない。そういうところに、俺の漬け込む隙ができるんだけどね?」
手を振り解こうともがいてみるものの、結城君の手が簡単にそれを阻止する。
「俺の事、嫌い?」
「・・・その聞き方、卑怯っ」
「だよねー。先生は生徒の事を嫌いとは言えないだろうし」
結城君が突然至近距離に顔を詰めて来たので、びくりと肩をすくめる。
「でもさ、そうやってはぐらかさなきゃならないってことは、先生にも恋愛感情あるってことじゃないの?」
「な、何言ってるの!そんなわけないでしょ。いい加減、どいてよっ」
心臓の高鳴りをかき消すように、声を荒げて身をよじる。
真っ直ぐに私に向けられた結城君の瞳から逃げたいのに、結城君はそうさせてはくれない。
「先生の立場危うくなるようなヘマはしないけど、万が一そうなったら俺が全力で守るよ」