擬態化同盟 ~教師と生徒の秘密事~
教師と生徒の解消
結城君がついに大学に行く事の説得に応じてくれたと浪川先生は安堵した様子で職員室に帰って来た。
どうやら、結城君は突然大学に行く事を宣言したわけではなく、浪川先生の説得に応じた、という体裁をとったらしい。
その方が自然だし、浪川先生も生徒のために貢献したって思うでしょ?と結城君は不敵に微笑んでいた。
結城君の手にかかれば教師すらも踊らされてしまうから怖い。
今日から3年生は保護者との三者面談が放課後行われる。
結城君の親には後ろめたさしか感じなくて、あり得ないと思いつつも何か勘付かれてしまわないかと不安だったので3年生の教室には放課後、近寄らないつもりでいた。
けれど、職員室を出たところで玄関に向かおうとする結城君と出くわし、その隣にスリッパ履きの女性が歩いていた。
すれ違いざまに小さく会釈をしただけだけど、女性が結城君のお母さんだとするなら随分若い。