Lie friend ―嘘友―



そう言って立ち去ろうとする彼に、あたしは待って、と声を張り上げる。



「あたしは、宮岡君が周りのみんなとは違うってわかってたよ......。」



「え......?」



驚いたように声を上げる彼を見て、あたしは頬を緩めた。


だって、だってそうでしょ?


宮岡君が、みんなと違うことは、否(いや)が応(おう)でもわかってた。


あたしは知っていた。


少し、期待をしていたくらい。


他のみんなとは、違うんだって。


だけど、彼のあの一言で、あたしは......。


あの一言が、あたしの傷をえぐろうとするから、嫌だっただけ、なんだ......。



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