Lie friend ―嘘友―



そうやって、あたしの傷をえぐろうとしたり、哀れみや、うっとうしそうに見てくる人たちを、あたしは避けるの。


そうして一定の距離を保って、あたしを守る。


誰もあたしの本当の心の中には寄せ付けないようにして––––––––。


正当防衛でも、なんでもないそれは、あたしに安心をくれていた。


嘘ばっかりの“友達”と、“友達ごっこ”をして遊んで。


そうしておけば、あたしの心は守られる。


傷付く必要もないから。


でも、宮岡君は、違ったの。


どうせ自分では気づいてないんだと思う。


けど、あたしは宮岡君に期待をしていた。


もしかしたら、もしかしたら、ってね。



< 110 / 125 >

この作品をシェア

pagetop