Lie friend ―嘘友―
だからって。
あたしたちはいつの間にか教室まで来ていた。
「ねぇ、もう連れて行ってくれなくて大丈夫だよ?」
「あ、あぁ、そうか......。」
そう言ってやっと、車イスの手押しハンドルから手を離してくれた。
でも。
「ずいぶん車イスに慣れてるんだね?」
ピクッと、彼の体が反応する。
あぁ、やっぱりね。
きっと家にそういう人がいるんだな。
おばあちゃんとか、おじいちゃんとか?
「まぁ、な」