Thug Life in LA

理想と現実

優しくて典型的な白人家族のホストファミリー。　

最初のうちは良かったが、俺に対する態度が急変していく。　普通に一つの部屋を与えられていたのに、いきなりガレージの車庫へ移された。　家族みんなが美味しそうに夕飯を食べているのだが、『アナタの分を作り忘れたから外で食べてきて』と言われる。　

何故だ・・・かたことの英語だが必死に仲良くなろうと接していたはずなのに・・・家賃も毎月しっかり払っているのに・・・皿洗いや芝刈りなど家の手伝いまで自分から進んでしてたはずなのに。　

『今月から家賃上げるわよ』『ちょっとお金貸してくれない？』・・・だんだんエスカレートして皆で俺をたかる様になる。　その時初めて俺は気付いた。　日本人は所詮金としか見られてないのだと。

その当時のアメリカはまだ『人種差別』という大きな問題があり、白人と黒人の敵対意識が非常に強かった時代。　彼らには『Stereotype』という『アジア人は勉強しか出来ず貧弱』といった様な社会的な固定観念から、色んな場所でコケにされる事も多かった。　

日本・・・ましてや自分の故郷の田舎町では考えられない経験。　

憧れだったアメリカに対して、次第に怒りを覚えていった。
< 5 / 14 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop