四角いジャングル
意表を突いたドラゴンスクリューで膝関節を捻られ、苦しむ蝶野。

桜庭はそんな蝶野の背後から近づき、片方の手で相手の手首を摑む。

ここからもう一方の腕で『4の字』を作り、相手の腕を絡めながら自分の手首を摑み、相手の手を相手の背後に回すように捻り上げるとダブルリストロックという関節技の完成だ。

絡めた腕が支点となるテコの原理で、肩関節にダメージを与える事ができる。

桜庭が試合で多用する技の一つである為、『サクラバロック』と呼ばれる事もある。

しかし、ここまでのプロセスに至る前に。

「ぐおっ!」

蝶野は踵を跳ね上げて桜庭の股間を蹴り上げる!

急所攻撃。

無論反則技だが、プロレスではこういったダーティーな技も攻防の中に織り込まれる事が多い。

ブーイングを飛ばす観客。

レフェリーも注意するが、蝶野はどこ吹く風だ。

反省の色なく、蝶野は尻餅をついている桜庭の両腕を締め上げ、首を前方へと押さえ付け、首関節・肩を極めると共に呼吸困難にさせる。

正式名称は羽根折固め(リバースフルネルソン)だが、蝶野が使う場合は使用者の苗字もしくは使用時の見た目から『バタフライロック』とも呼ばれる。

< 126 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop