四角いジャングル
しっかりと三沢の腕を痛めつけた後、藤原は武藤にタッチする。

武藤がリングインした事で、会場がどよめく。

ニュージャパンのリングで、オールジャパンの新旧エース同士の対決。

腕を押さえて片膝をついている三沢に対し。

「おぉらっ!」

空中で体を高速で反転させて繰り出すエルボードロップを繰り出す武藤。

フラッシングエルボーと呼ばれる武藤の得意技の一つだ。

マットに捻じ伏せられた三沢を起こし、武藤はその場跳びのドロップキック!

何とか受け身を取ったものの、至近距離のドロップキックに三沢はダメージを受ける。

「三沢!」

場外からやっと上がってきた大谷が、尚もタッチを要求するが、三沢はやはり応じない。

片膝をつき、何とか立ち上がろうとする三沢。

そんな彼に狙いをつけ、武藤は一旦ロープに飛び、ダッシュから三沢の膝に飛び乗って頭部に膝蹴りを叩き込む!

武藤のオリジナルホールドにして代名詞、シャイニングウィザード!

もろに膝を叩き込まれた三沢は、その威力でマットを転がり。

「!」

赤コーナーへと押し込まれる。

武藤が意図的にそうしたのか、偶然赤コーナーに追い込まれたのかは不明だが。

「……」

猪瀬が三沢の背中を叩き、スイッチする。

「猪瀬さん、俺はまだ…」

タッチしていないと言いかける三沢だったが。

「思う所があるなら、この試合の後で幾らでもマッチメイクしてやる」

猪瀬は三沢と入れ替わりでリングインする。

「今はチームメイトとして試合に臨め」

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