四角いジャングル
大谷は道場での初日、スクワットを反復していた。

朝からずっと、同じスクワットを繰り返す。

トレーナーである藤原は、ただ腕組みして見ているだけ。

彼は、スクワットを何回やれ、とは指示をしていない。

ただ、やめろと言うまでスクワットを続けろと指示した。

黙々と続ける大谷。

息が上がり、汗が道場の床に滴り、水溜まりを作る。

脚の筋肉が痙攣している。

もうこれ以上はできないと、筋肉が悲鳴を上げる。

しかし、大谷が限界を感じて動きを止める度に、藤原の竹刀が彼を打ちのめした。

その度に立ち上がり、スクワットを続行する。

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