四角いジャングル
「分かるように喋りやがれ!」

立ち上がった藤原は、また不用意にロックに接近する。

脇固めに捕らえてしまえば、196センチ118キロという巨漢のロックでも一溜まりもなかろう。

関節技は体格差など無視して通用する。

しかし、ロックは逆にタックルに行く形で相手の腋下に体を挿し込み、同時に右手で肩と腕を固め、そのまま片手で持ち上げて宙に浮き、全体重を乗せて叩きつける!

ロックボトム。

ロックが得意とするフェイバリットホールドの一つだ。

ロックはダウンした藤原の両足の間に右足を入れて相手の左脇腹の横へ踏み込んで、相手の両足を膝でクロスさせて相手の右足を自分の右腕で固めて、右足を軸にして反転(ステップオーバー)して相手をひっくり返してから腰を落とす。

シャープシューター。

日本では『蠍固め』と言った方が通りがいい。

プロレス特有の関節技だ。

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