四角いジャングル
途端に苦痛にもがくのは武藤の方となった。

裏返しの姿勢になると技をかけている方が痛いというのは、プロレスファンならば誰もが知っている事だ。

そして武藤がムーンサルトプレスやシャイニングウィザードなど、膝への負担が大きい技の乱用により、両膝の軟骨の減少、摩滅等、膝に持病を抱えており、直立したつもりでも膝が『く』の字に曲がっている事、後遺症は重く、カニ歩きでないと階段を昇り降り出来ない、プライベートでは300メートル以上は断続的でなければ歩けないなど酷い状態である事も。

武藤の弱点は膝。

その弱点を攻める事は、戦いにおいてはセオリー。

何ら卑怯な事ではない。

裏返された足4の字固めの痛みに、ロープを摑もうとする武藤。

しかし大谷は腕力でマットを這いずるようにして、武藤をロープから遠ざける。

遠ざけた上で、更に膝を痛めつける!

< 217 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop