四角いジャングル
入場前のフライを襲った凶行。

観客の目の前で繰り広げられる惨劇に、会場は騒然となる。

パイプ椅子で割られた額に、更に頭突きを打ち込まれ、フライはもう目も開けられないほどに出血している。

とてもこれから試合が出来る状態ではない。

だがそんなフライに。

「!!!!!!」

襲撃者は脇固めを極める!

腕を取りながら倒れ込むというパターンの、プロレス式の脇固め。

不意を突かれたフライは、その見事なまでの脇固めでいとも容易く腕を折られてしまう。

腕を押さえ、苦悶の表情を浮かべるフライ。

そんな彼を見下ろしながら、フライの返り血で朱に染めた顔を上げたのは、ニュージャパンプロレスの中堅レスラー、藤原 明喜だった。

< 223 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop