四角いジャングル
額から流血し、虚ろな目で天井を仰ぐロック。

その間に藤原はリングに上がり、マイクを握った。

「カウントしろよレフェリー!」

藤原は叫ぶ。

「20カウント以内にロックがリングに戻れなかったら、リングアウトで俺の勝ちだ!IWCシングルトーナメント準決勝には俺が勝ち上がる。そうだろ、ええオイ?」

乱入しておきながら勝手な言い分の藤原に、会場からブーイングが上がる。

エプロンサイドに立ち、そのブーイングさえも満足げに聞いていた藤原だが。

「!?」

突然足元を掬われて転倒する藤原。

見れば場外で立ち上がったロックが、藤原の足元をラリアットで掬い上げた所だった。

彼は顔面の血を拭いながらリングインし。

「If you smell what The Rock is cookin'! Just bring it!
(ロック様の妙技を、たっぷりと味わうがいい!かかってこい!)」

そう言ってピープルズ・アイブローを上げた。

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