四角いジャングル
両者は立ち上がり、再びスタンド(立ち技)での攻防。

ローキックで試合を組み立てようとする桜庭に対し、猪瀬はこれを手で払いのけながら何とか懐に飛び込もうとする。

プロレスの試合だというのに、打撃系格闘家と組み技系格闘家の試合、異種格闘技戦を思わせる試合展開になっていた。

小出しにローキックで攻める桜庭に対し、猪瀬は素早く距離を詰めてナックルパート!

拳での打撃を嫌がり後退する桜庭を、猪瀬は一気にコーナーに追い詰め、何度も何度も額にナックルパートを見舞う!

こうなると猪瀬の独壇場。

猪瀬の勝ちパターンである事を知っているファンは、大歓声を上げる!

ナックルパートで殴打した後、桜庭をリング中央に引き寄せた猪瀬。

そのまま卍固めに極めようとするが。

「!?」

桜庭は素早く前屈みになって猪瀬の足首をとり、そのまま股下を潜り抜けつつ猪瀬を転倒させ、猪瀬の膝がある程度曲がっている状態で踵に肘の内側をフックさせてから両手をクラッチし、両足で相手の膝を固定しつつ、フックした猪瀬の踵を体ごと捻って極める!

ヒールホールド。

ヒール(踵)と名前は付いているが、膝関節を極める技である。

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