四角いジャングル

猪瀬は大谷をフロントネックロックに捕らえ、そのまま反り投げを打つ！

アントニオドライバー！

準決勝で三沢にも見舞った幻のフェイバリットホールド。

これを決めてフォールに行くが。

「1、2…！」

大谷はカウント2で返す。

だが猪瀬にはまだ引き出しがある。

大谷の腰を背後からクラッチし、『ヘソで投げる』と表現されるルー・テーズ式のバックドロップ！

再三にわたって頭部をマットに叩き付けられる！

今度こそ。

猪瀬がフォールに行くものの。

「！！」

今度はカウントすら取らせず、大谷が返す。

どこまでしぶといのか。

マットの上で大の字になる大谷を見ながら、猪瀬はコーナーの上によじ登る。

ここからダイビングニードロップを仕掛けるつもりだ。

距離を測る為、振り向く猪瀬。

しかし。

「！？」

いつの間にか猪瀬を追い、大谷もコーナーによじ登っていた。

そして猪瀬に向かって跳び上がり、相手頭部を自らの両足で挟み込んでそのままバック宙の要領で回転しつつ相手の頭部をマットに叩きつける！

雪崩式フランケンシュタイナー！

猪瀬の頭部はマットに激しく叩き付けられた！