四角いジャングル
「いいか大谷」

コールが終わり、大谷はセコンドについた藤原からアドバイスされる。

「体格はお前の方が上だ。奴はお前より20キロも軽いんだ。投げも打撃もお前の方が有利だぞ。自信持っていけ」

「は、はい」

上擦った声で大谷が返事する中。

「!!」

遂にデビュー戦のゴングが鳴った。

訳も分からないまま、コーナーからリング中央へ進んでいく大谷。

桜庭も打撃の構えをとって前に出る。

リング中央、対峙する両者。

しかし、観客の視線と会場の雰囲気。

大谷は完全に飲まれてしまっている。

そこへ。

「シュッ!」

桜庭の右ハイキック!

何の反応もできないままに側頭部に蹴りを食らい、大谷はいきなりダウンを喫した!

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