四角いジャングル
リング中央で大の字になる大谷。

レフェリーは、カウントを取り始める。

10カウントで立てない場合は、このまま試合終了となってしまう。

「何やってんだ大谷ぃっ!立ちやがれぇっ!」

藤原の叱咤が聞こえる。

幸い、膝が若干震える程度でまだ動ける。

何とか立ち上がる大谷。

「やれるか?」

レフェリーの問いかけに。

「は、はいっ、やれます」

大谷は強く頷く。

「ファイッ!」

試合続行。

レフェリーの合図と共に、桜庭はまた距離を詰めてくる。

棒立ちの大谷の足へとローキックの連打を繰り出す桜庭。

ただ下がるしかなく、大谷はあっという間にコーナーに押し込まれ。

「うぐっ!」

桜庭の膝を腹に食らう!

組み合ったまま、連打、連打!

プロレスだというのに、まるでキックボクシングのような試合展開となってきた。

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