日本刀と青春
学校は、成績の良くない工業高校だ。
しょせん先は見えて来ていた。
しかし、俺は映画を観たり本を読んだりするのが好きで出来たら将来は、そういう仕事に就きたいと思っていた。
思っているだけで、具体的に何か行動する事はなかったのだが。
何故行動出来ないかは、周りにそういう事を相談出来る相手も居なかったのも大きな要因の一つかも知れない。
周りにそんな事を話せば笑われるに決まっているのだ。
ここでは、誰が誰より強いとかどの女とやったかが、その人間の評価を上げる世界。
本の話しや映画の話しは、教室の隅の方に居るいわば負け組が、こそこそと話す物だった。
それでも、行動出来ないのは自分自身が怠惰な人間だからだとも分かっていた。
俺は、午後の授業の間も周りは他校との揉め事を話しいるのを無視してうつらうつらしていた。