日本刀と青春
放課後に、剣道部の部室で稽古が終わり一人でだらだら過ごしていると内藤武志が珍しくやって来た。
後ろに一雄も一緒に付いて来ていた。
田辺一雄と内藤武志は、確か同じ中学だったがタイプは随分違っていた。
内藤武志は、高校二年生で既に身長が一メートル八十センチを超えていた。
日焼けしていて身体も大きい。
かたや、田辺一雄は、小柄で身長は一メートル六十を少し超えたくらいだった。
しかし、一雄は怒らせると危険な男で有名だった。
教師に怒られた事を根に持ち夜に自宅に忍びこみその教師の新車をバットで無茶苦茶にした事があった。
内藤武志は、喧嘩はほとんどしなかったが実質的に二年生のボス的な存在だった。
頭の回転も良く俺とも仲が良かった。
「今豊成高校と揉めてるの知ってるよな。全面戦争になりそうなんだよ。八木お前にも助っ人して欲しいんだよ。」