日本刀と青春
今回の抗争の場所が決まると主要なメンバーを集めて作戦会議をした。
三年生は、居なかった。
就職前に問題を起こしたくないのだ。
相手の豊成高校も二年生ばかりのようだ。
向こうに内藤の中学の時の同級生がいてスパイをしていた。
向こうは、四十人は集まるようだ。
戦う場所は、大きな河原だった。
こっちは、二十五人はいたが、いざとなれば使えるのは十人くらいだろう。
内藤、一雄、俺を中心に作戦を立てた。
周りは俺が日本刀を本当に使うのかに関心が集まっていたが、俺は曖昧に答えていた。
俺は、毎日道場で日本刀を振った。
顧問の先生は、日本刀をここに置いてる事を忘れているのか俺に何も言わなかった。
日本刀を振っている間は、この空しい青春を忘れられてまがまがしい気持ちとざわつく心が俺の中を占めていた。