学生結婚しちゃいました
俺と葵の会話に、立っているのもやっとの陽菜が、幸太に支えられながら
「……もう……ヤダ…。」
と消え入りそうな声で呟いたと同時に、幸太が葵と俺をキッと睨みつける。
「陽菜……家に帰る?それとも落ち着くまで離れる?」
陽菜が幸太に抱きついたまま言ったことは…
「今すぐ…
ここから離れたい……。」
だった。
「分かった……。先輩…陽菜は俺が貰います。」
と強い口調で言った幸太に手を引かれ、陽菜がこの場を立ち去った。
俺は二人を呼び止めることも、追いかけることも出来ないまま、二人の姿が小さくなっていく様子を眺めるしかできなかった。