学生結婚しちゃいました
私から腕を離した幸太くんが、悲しげな顔で私の顔を覗き込み、力なく微笑んだ。
「…ゴメン。
俺…どうかしてた…。」
幸太くんの力ない笑顔を見ると…私の中の色々な感情が、ごちゃ混ぜになって表に出てしまいそうになる。
「幸太くん……。」
「俺ね…入学式の時、香織と話をしてる陽菜を見て、何だか小さくて可愛い奴だな~って思ったんだ。
でも…好き…とか、そんな感情は全然なかった。」
幸太くんが目の前に置いてあるマグカップを手に取り、ゴクッと中の紅茶を一口飲む。
マグカップを手に持ったまま、話を続けた。