学生結婚しちゃいました
……どんなに一緒に居ても、視線の先に居るのは、いつも先輩だけだ。
離れている時でも、いつも先輩の事を想っている。
俺が陽菜の気持ちに入り込む事は出来ないのかな…。
店の裏口から外に出ると、傘を差しても簡単にズブ濡れになってしまうのではないか…というくらいの強い雨が降っていた。
まだ遠くで雷も鳴っている。
二人で雨が降っているのを眺めながら、軒下で動けないで居た。
「なぁ~陽菜。
俺の家に来て、もう一ヶ月経ったよ。
先輩から連絡…あった?」
雨を眺めていた陽菜が、ユックリ俺の方に顔を向け、首を横に振った。
「……何も…ない…。」