学生結婚しちゃいました
「何よ…そんな事私に言っても、理玖の事、諦めないわよ?」
「違うんだ…。
葵…聞いて?」
俺は自然とテーブルの上に置かれた葵の両手を、自分の両手で覆った。
俺の行動に、葵が驚いたように俺の瞳を覗き込む。
「理玖……?」
「俺…もう二度と人を好きになることなんて、出来ないって思ってたんだ。
だから…葵に子供が出来たって聞いて、エコーを見た時に、父親になろうって思った。
結果的には、自分たちの意思に反して、子供を諦める形になってしまったけど……
もし…あの時、親になっていたら、違った人生になっていた…、俺はそうしたら、陽菜に会うこともなく、葵との人生を歩んでいたんだろう。」