学生結婚しちゃいました


その時だった。


香織ちゃんに抱きしめられていた陽菜の声が聞こえる。



「お腹……蹴ってる。

いつもはこの時間…起きてないのに…ドンドンって蹴ってる…。」



陽菜の言葉に、黙っていた母さんが口を開く。



「きっとお腹の子どもも、お父さん頑張れって言ってるのよ。」



母さんが陽菜に向かって微笑む。



「大丈夫。理玖は陽菜ちゃんと子どもを置いて、いったりしない!」



父さんまで泣きそうな顔で、陽菜に微笑みかけた。




俺……こんな所で死ぬわけには行かない。



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