学生結婚しちゃいました


「僕は理玖って名前じゃないよ。」



そう言って私と繋いだ手をクイッと引っ張った。


少し屈んで、その男の子の目線に合わせると、男の子は小さな手で、私の頭を撫でてくれた。





どっちが子どもなんだか…と思うくらい、その子の小さな手は、とても安心できて、思わず笑みが零れる。




「笑ってる方が可愛いよ。」



とその男の子が言った。




「でも…私…もう笑えないかもしれない…。

理玖くんがもし居なくなったらって思うと……。」




私の頬に涙が伝った。



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