近くにいた王子


「まあ、今更悔やんだってしょうがねーんじゃね? あっちは両想いなわけだし」


…なんかいきなり、冷たくねーか?

だからどうすればいいか、相談しにきたってのに。


「あとはお前次第だよ。
諦めるも、そいつから蓮本を奪うも、好きなようにしたらいいんじゃねぇ?」


やっぱり陽人は、いいやつだ。

なんだかんだ言って、俺を思って言葉をかけてくれる。


もし俺が女だったら、陽人に惚れてんだろうな。


「光くん」


その時、

ずっと黙って話を聞いていた紗雪が、口を開いた。




< 15 / 38 >

この作品をシェア

pagetop