近くにいた王子
3.
俺とアユは、小さい頃から一緒だった。
従兄弟で、家も近かった俺たちは、幼稚園から一緒。
従兄弟っていうよりは、兄弟のように育ってきた。
俺は一人っ子で、必然的にアユといることが多かったんだ。
アユを好きだと気付いたのは、小学2年の頃。
友達も増え、少しだけ遠くなったアユに、寂しさを覚えたりした。
そんな時、アユが特別に思えて。
好きなんだって、気付いた。
そんな俺の気持ちに、いち早く気付いたのは紗雪だ。
俺とアユと紗雪は、幼稚園からずっと一緒だった。
恋に敏感になり始めた小学4年の頃、紗雪は俺の想いに気付いたんだ。
それからずっと、陰で俺を応援してくれている。