近くにいた王子
「えっとね、家に帰ったら啓太がいたの。あたしの部屋に」
「………は?」
いた?
だからそれがなんでなんだよ。
「それで、一緒に住むことになって、啓太記憶が無くて、あたしが名前つけてー」
いやいや…
どういう流れで一緒に住むことになるわけ?
記憶が無い、見知らぬ男と。
「服もないから光に借りてー」
あの時借りにきた服は、その時の物だったのか。
それからもアユは、その啓太っていうやつと付き合うに至るまでを話した。