涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜



秋山くんのことだから、あたしの心配をして、メールを入れてくれてたんだろう。

もしかしたら、電話をいれてきてくれたかもしれない。


「秋山、くん。」

「…ん?」


携帯を見るのが怖い、とつぶやくと、


「でも、見て欲しいんだ。」


きっと切なげに笑いながら、そう言ってるだろう。

だけど、その言葉には、簡単には頷けなくて。

力強くも優しい、そんな言葉だけで、心は軽くなるけれど…。


「…ごめん。」


怖いんだ。

あたしは結局弱虫だ。


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