涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「…メール、見て欲しいんだ。」
このままじゃ駄目なんだよ、と続けてそういった秋山くんから、そっと身体を離す。
「…怜が送ってくるメールが怖い。
あの子は、あたしと鞠さんを間違えてるんだよ?」
…きっとこう言えば、秋山くんは強く出られないことを知っていた。
あたしは、ズルイから。
だから…ごめんね。
「鞠さんに、怜と秋山くんを間違えられたらどう思う?
向き合える?
真っ直ぐ、接することができる?」
…そんなの、なってみなきゃ分からないのにね。
秋山くんだって、辛い立場にいて。
あたしだけが辛いわけじゃないって分かってるけど。それでも。
「…あたしには、無理、だよ」