涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「俺たちが付き合って、そしたら…たまたま、あの二人が付き合った。
俺たちは、忘れるどころかもっと深く落ちただろ…」
「っ…それはっ!!」
「違わねえだろ。」
荒い言葉遣い。イライラしたようにしたように発する言葉。
全て。全てあたしの知らない怜の姿。
「鞠はさ」
「っ、やだ!!言わないでっ!!」
「"ちいくん"が好き、なんだろ?」
「っ、」
なぜだかその言葉に胸が苦しくなった。
鞠さんの泣き声が響いて、自分の瞳からも水滴が零れ落ちた。
そのとき、
「夏希っ!!」
絶妙なタイミングでやってきたのは、
「あき、やま…くん。」
きっと、今、一番来てはいけない人物だった。