涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜



「俺たちが付き合って、そしたら…たまたま、あの二人が付き合った。
俺たちは、忘れるどころかもっと深く落ちただろ…」

「っ…それはっ!!」

「違わねえだろ。」


荒い言葉遣い。イライラしたようにしたように発する言葉。

全て。全てあたしの知らない怜の姿。


「鞠はさ」

「っ、やだ!!言わないでっ!!」

「"ちいくん"が好き、なんだろ?」

「っ、」


なぜだかその言葉に胸が苦しくなった。

鞠さんの泣き声が響いて、自分の瞳からも水滴が零れ落ちた。

そのとき、


「夏希っ!!」


絶妙なタイミングでやってきたのは、



「あき、やま…くん。」


きっと、今、一番来てはいけない人物だった。


< 133 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop