涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「本音の話、しないの?」
君があたしと向き合ってくれるまで、あたしは強がりを辞めるつもりはない。
「夏希。
怜君は、病人、だ」
牽制するように、間を割って入ったのは秋山くん。
あたしの挑発に、気付いたからだろうけど…。
「秋山くんは、少し下がってて。」
あたしだって、相手が病人だってわかっててやってるんだ。
ここで下がったら意味ない。意味がないんだよ。
「…鞠さんとの記憶が戻ったのはいつ?」
本音の話を怜がしないのならば、あたしが掘り下げて行くまでだ。