涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜



「は…?」


あたしのその言葉にいち早く反応したのは秋山くんだった。

そりゃそうか…。

秋山くんにとっては、そこが一番の問題だったんだから。



「どういう…ことだよ、鞠…。」


困惑した表情を浮かべながら、鞠さんの方を向いた秋山くんは、


「今朝、お前言ってたじゃねえか。
"怜君の記憶は、まだ戻ってない"って泣いてたじゃねえかよ!!!!」


そういって、意味わかんねえよ、と小さく呟いた。


「ねえ、いつ、戻ったの?
怜、答えて。」

「関係、ない。
夏希には、関係ないだろ!!」


怜はそう言って怒りの表情を浮かべた。

関係ない?

関係ないなら、なんでそんな顔をすんのよ。




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