涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「な、…んん……」
何もいって欲しくないから。
だから、あたしは
「んんっ!?」
深い口づけをする。
何もみたくないから。
だからあたしは目をつぶる。
「なつ、き…ん、」
怜の甘い声。
艶やかなその声に、一瞬で体が止まる。
そっと体を離して、ごめん、と小さく呟いた。
好きだ。
好きだどうしようもなく。
怜が好きなのは事実なのに、どこに揺らぐ必要があるのだ。
「怜、好き。」
この言葉だけで、いい。
他のことを考えると頭がごちゃごちゃになるんだから、今は目の前の怜を、見なきゃダメだ。