涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
視線を目の前にある単語帳に目を戻す。
次のテストは英Ⅰだ。
「うー…もうやだ…」
「頑張れ頑張れ。」
「…夏希は頭良いんだからいいけどさ、あたしは違うんだーっ!!!!」
「ていうか、美羽が勉強しないからでしょ。」
人付き合いで困るのも、確かに仕方が無いこと。
だけど、それでテストの点数を落としたら、あたしの努力はどこにいく?
「…次から頑張る…」
「それ前回の期末でも言ってたよ」
負けたくない、のだ。
理由をつけて逃げたくない。
パラパラとめくりながら、はあ…と小さくため息をついた。