涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
気付いてしまえば、この関係も終わりを告げられてしまうだろう。
だけど、鈍感な彼女が自分の気持ちに気づくわけがない。
「…なつ、き。」
シアワセ、というのは、俺とだって作れるだろ?
なら…、なんて俺の言い訳で。
理由をつけたいだけだ。
「…智尋といたときから変だよ?
どうしたの?」
ガツンと。
頭が何かで殴られた気がした。
"秋山君"と呼んでいたはずの夏希は今、確かに"智尋"と呼んだ。