涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜



女々しい?

知ってるよそんなの。

そんなちっぽけなことに気付いてしまうくらい夏希が好きだ。




ーー「それってさ…ようは意気地なしってことだろ」



気持ちが正確に分からない限り、動けなかった俺にそう言った秋山先輩は冷たい目で俺を見下ろしていた。


意気地なし、だった。

だって、怖かった。

この関係が居心地が良くて仕方なかったんだ。

ヘタレだって言われても仕方ない。

でも俺だって、キスしたいし、それ以上だってしたかった。

好きだからこそ、したかった。




秋山先輩。教えてくださいよ。

あんただってそうだったはずでしょう?

関係が壊れるのを恐れずに、ぶつかる方法なんてあるんですか?

教えろよ。

教えろ、よ。

おしえ、ろよ…っ。



「怜?」



どうやったら、あんたからなっちゃんの気持ちを取り返せるんだよ?






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