涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
だけどその手は
ーーパシンッ。
あっけなく振り払われた。
「え…?」
「触んないで。
本当ごめん。」
振り払われた手は、力無く落ちた。
でも。
だけど。
振り払われた手よりも、何倍も何千倍も…
「れ、」
「ごめん、なっちゃん。」
痛そうな顔をした怜に、あたしは何も出来なくて。
「いつかは押さなきゃいけないって分かってたのに…なんでだろ。」
ギュッと握った拳が視界の隅にうつった。
「すげ…くるし、」