涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
ーーボスッ。
「…すみません、苺パフェ一つ、ください」
「か、しこまりました。」
音を立てて座ったあと、近くを通ったウエイターに注文する。
「…話そうか、真面目に。」
「苺パフェ、なんで?」
「それは…特に理由はない、けど。」
何それ。と困ったように眉を下げて笑った彼女は、ハッとしたように、すぐに笑うのをやめた。
切なそうに歪められた表情ですら、愛おしく感じてしまう俺は馬鹿なのか。
それともただ単に、想いが膨らんでるだけなのか。
…いや、きっと、後者だけど。